こんにちは!株式会社AYATORIの綾鳥みおです。
今日は、Web業界やAI界隈で話題沸騰中の「RSL 1.0」についてお話しします。
「また新しい技術用語…?」と身構えなくても大丈夫!
これ、実はこれからのインターネットを守るための、とっても人間味のあるルールのお話なんです。Webデザイナーを目指すあなたには、ぜひ知っておいてほしい「考え方」の一つですよ。
1. RSLってなに?
一言で言うと、「Webサイトの入り口に置く、AI専用の高性能なメニュー表」です。
これまで、AI(クローラー)に対しては「入ってよし!」「入るな!」という0か100かの命令(robots.txt)しかできませんでした。
でも、RSL 1.0(Really Simple Licensing)を使えば、もっと細かくこう言えるようになります。
- 「検索結果には出していいよ(宣伝になるから)」
- 「でも、AIの学習データとして吸い取るのはNGだよ」
- 「もし学習に使いたいなら、1回これくらいお金を払ってね」
サイトの持ち主が、自分のコンテンツをAIにどう扱ってほしいか、細かく指定できる仕組みなんです。
2. クリエイティブ・コモンズ(CC)ってあったよね?
ここでちょっと昔話をしましょう。「クリエイティブ・コモンズ(CC)」って聞いたことありますか?
「人のマーク」や「ドルのマークに斜線」が入ったアイコン、見たことある方も多いと思います。あれは、
「私の作品、条件を守ってくれるなら、みんなで自由にシェアしていいよ!」
という、人間同士の「約束(性善説)」に基づいたライセンスでした。
インターネットをもっとオープンに、文化を広げよう!という素晴らしい考え方ですです!
3. CCとRSL、なにが違うの?
では、今回のRSLは何が違うのでしょう?
分かりやすく比較してみますね。
- クリエイティブ・コモンズ(CC):
- 相手: 人間
- 仕組み: 公園の看板。「お花を摘まないでね」と書いてあるだけ。
- 弱点: マナーの悪い人が無視して摘んでいっても、物理的には止められない。
- RSL 1.0:
- 相手: AI・ロボット
- 仕組み: 公園の自動改札機。「学習目的」のロボットが来たら、ゲートを閉じる!
- 進化点: インフラ(サーバー)レベルで制御するから、「お金を払わないと通れない」という物理的なブロックができる。
つまり、「お願い」から「技術的な制御」へと進化したのがRSLなんです。

4. 本当にそんなことできるの?
「えー、口で言うのは簡単だけど、本当にAIを止められるの?」
そう思いますよね。私も最初は半信半疑でした。
でも、今回は「本気」なんです。
CloudflareやAkamaiといった、インターネットの「道路」を作っている巨大企業がこの仕組みをサポートしました。
これにより、ルールを守らないAIがアクセスしようとすると、サーバー側が自動で「402 Payment Required(お金払ってね)」というエラーを返して、門前払いできるようになります。
ただのテキストファイルによる意思表示ではなく、システムの壁で守る。これがこれから先のスタンダードになりつつあるんです。
5. これからの未来はどうなる?
RSLが普及すると、インターネットは「無料の無法地帯」から「価値の交換所」へと変わっていくでしょう。
- クリエイターは、自分の知識がAIに使われるたびに、正当な報酬を得られるようになるかも。
- AIは、高品質なデータをお金を払って買うことで、もっと賢くなる。
「AIに仕事を奪われる」と怖がるのではなく、「AIをお客さんにして稼ぐ」という未来が見えてきませんか?
6. Webデザイナー志望の方へ:これは「必須の考え方」です!
Webデザイナーを目指す皆さん。
これからのWebデザインは、見た目の美しさや使いやすさ(UI/UX)だけではありません。
「このWebサイトの情報を、AIにどう渡すか(または渡さないか)」
これを設計することも、デザインの一部になります。
クライアントさんから「私のサイト、勝手にAIに使われたくないんだけど…」と相談されたとき、「それならRSLを設定しましょう!」と提案できるデザイナー。
これ、でったんカッコよくないですか?
まとめ
RSL 1.0は、単なる技術仕様ではありません。
「人間とAIが、お互いにリスペクトし合って共存するための新しいマナー」です。
技術はどんどん進化しますが、その根底にあるのは「作った人の権利を守りたい」「もっと便利にしたい」という人間の想いなんです。
新しい波を恐れずに、一緒に乗りこなしていきましょうね!
次のステップをご提案します
いかがでしたか?
「ちょっと難しいけど、なんか凄そう!」と思ってもらえたら嬉しいです。
もし興味があれば、「自分の好きなWebサイトやブログだったら、どんなRSL設定(学習OK?NG?)にするかな?」と妄想してみてください。それが、AI時代のWebリテラシーを磨く第一歩になりますよ!